一級建築士 製図試験 ー課題の読み取り基本編ー

建築士製図

一級建築士製図試験の流れ

  1. 課題の読み取り
  2. エスキス
  3. 計画の要点
  4. 作図

大きくはこの4つから構成されています。今年受験される方はまずこの4つを知ることが重要です。

今回は 1.課題の読み取り の基本(重要性・要素・種類)を身につけ、要求に応えるにはどうしたらいいのかざっくりしたことをお伝えしようと思います。

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課題の読み取りの重要性

最初に課題の読み取りがなぜ重要なのかということについて話します。
「○○してほしい」(要求)に応えるには

  1. 要求を知り
  2. 情報を整理し
  3. 問題点を絞り出し
  4. 解決策を考え
  5. 形にする

以上、5つの行動があります。
相手の要求を知りえないとそれ以降の行動(2〜5)ができないし間違った行動になるため、重要です

「○○してほしい」(要求)を知るには

皆さん相手のしてほしいことをどうやったらわかるでしょうか?身近な関係性だと何も言わずとも伝わる場合もあるのでしょうが、一般的には

相手から「こうしてほしい」って言うか
自分から「どうしたいの?」って聞くか

のどちらかではないでしょうか?

例えば上司から
「今日の会議に使う書類をコピーしてくれ」

って頼まれたら

ノロアリ
ノロアリ

〇時に会議があるからそれまでに用意しないと

会議は〇人参加するから〇部必要だな


などがわかる。

でも無言で書類だけ渡されると、上司からの要求はわからない。
次のプロジェクトの資料かな、今日の会議に使う資料かな、自分にも必要な資料だから読まないといけないかな

など予想ができる。
でもその予想の中に答えがあるとは限らない。

上司のしてほしいことと自分の予想したことが異なっていれば、上司の要求は達成することはできないです。

だからこそ質問をして、上司の要求に応えれるような状態にしないといけない。
上司との質疑応答ができれば、上司の要求は達成できます。
質疑応答をもっと広く解釈するとコミュニケーションとなります。

つまり相手のしてほしいことを確実に知り得るには、コミュニケーションをする必要があります。

試験上のコミュニケーション方法

では試験でのコミュニケーションはどうか?

会話という方法のコミュニケーションで試験やってますか?

ノロアリ
ノロアリ

「試験官がこうしてほしいです」って直接語りかけてくることはないですよね。

ノロアリ
ノロアリ

逆に試験官に「ここはこういう解釈ですよね?」って質問も受け付けてくれないですよね。

実際の試験では、「課題文を読む」ことで試験元の要求を知り得ないといけないです。

ただ、これって試験元から一方的に話している状態です。

ノロアリ
ノロアリ

この状態って、話が長ーいつまらないおじさんの話を聞いてるのと同じじゃないです?


『どうしたいんだっけ?』『どうしてだったけ?』って常に疑問の残りますし、重要な事項を読み落としたり、間違ったりします。

試験元から一方的に話している状態を防止するには、常にこちらからも『どうしたいの?』『なんで?』って聞きながら(実際には意識しながら)読むことで回避できます。

これが試験上のコミュニケーションです。

この試験上のコミュニケーションこそ課題の読み取りなのです。

課題の読み取りの要素

以下の4点の要素を知ることで効率的かつ読み落としを防止を図ることができると思います。

  1. 合否の行方を決定する
  2. 全体をつかむことで方向性を決定する
  3. いつもと違う所に注意
  4. 整理

それぞれの要素について説明していきます。

合否の行方を決定する

課題の読み取りが正しくできないと試験元の要求を知ることはできません。
要求を知ることができないと

どんなにプランが良くても・どんなに図面が綺麗でも・どんなに早くできても試験元の要求≠自分の成果品となり、不合格となってしまう。

課題の読み取りが合否の行方を決定するんだと、意識付けをすることで読み落としや間違えを防止できます。
また、何回も読み取りをして無駄な時間の使い方をしなくても済みます。

全体をつかむことで方向性を決定する

  • 意図をつかむ
  • ボリュームをつかむ
  • 成果品のイメージをつかむ

この3つをつかむことで

  • 良し悪しの判断がわかる
  • 時間配分がわかる
  • 何をどれだけやればいいのかわかる

課題文を読む前に
どこに何が書いてるか?
答案用紙に別途何か書いてないか?
計画の要点のレイアウトはどうなっているか?

1〜2分ぐらい俯瞰後、具体的に読み込みを開始すれば全体をつかみやすく効率的です。

いつもと違う所に注意

課題を3〜4個ぐらいすると
「いつも同じこと書いてるな」
「この辺りはさほど重要ではないな」
「ここはこう書いてあるはずだ」
って横着しちゃいます。

この横着が読み間違えを誘発して、試験元の要求を無視した成果品が完成しちゃいます。

いつも同じような文章の部分は読み返すなどして読み間違えを防止できます。

そして、究極の違う場所が毎年あります。それは今年初の項目。
ここは読み落としが少ないかもしれないけど、焦ってパニックで何もできないパターンの方が多いです。
初物はみんなできません。焦らずに対応しましょう。

整理

全体をつかむことができて、いつもと違う所もわかったとします。しかし、その他いろいろな情報が書いてあるから途中でごちゃ混ぜになってしまいます。


そうすると読み込みの精度も低くなり読み落としが発生したり、次工程であるエスキス・作図等へ移行する効率が悪くなります。


そうならないよう、情報を整理することが大事です。
整理するには「課題文にマーキング」したり、「簡易的なスケッチをする」方法があります。
そして、次工程であるエスキス・作図等に効率的かつ正確に反映していけます。

試験元からの要求の種類

  1. プランニングについての要求
  2. 作図、要点についての要求
    2つの要求があります。当然どちらも要求を満たしていなければ減点です。
    それぞれの要求に応えるためにはどうしたらいいのか、何を勉強すればいいのかがわかってきます。

1.プランニングについての要求

主に設計条件の部分に記載されている要求です。

  • こんな建物にしてほしい
  • こんな部屋がほしい
  • こんな使われ方をされたい

H30年度の問題で例えると

地域住民が各種スポーツを楽しみながら健康増進を図ることができスポーツを通して世代間交流のできる施設にしてほしい。
 床面積は2300〜2800m2以下にしてほしい。

などの要求のことです。

プランニングについての要求は、エスキスをやる上で重要です。
そのため要求に応えるには、エスキスを勉強しプランをまとめれるようになることです(エスキスについてはまた後日解説予定)

2.作図、要点についての要求

主に要求図書の部分に記載されている要求です。

  • これを書きなさい
  • こういう表現にしなさい

H30年度の問題で例えると

 断面(1/200)は切断位置はプール含み、立体構成がわかるようにしてほしい。
建築物の出口( ▲で表示)、通用口( △で表示) してほしい。

などの要求のことです。

作図、要点についての要求は、作図・計画の要点をやる上で重要です。
そのため、作図に関しては、ある程度書くことで大きな作図上のルールの間違えを減らし、未完成とならないようにします。(作図についてはまた後日解説予定)
計画の要点は、嘘や違うことを書かないことがコツです。(計画の要点の詳細についてはまた後日解説予定)

まとめ

試験元の要求を知るには
課題の読み取り=コミュニケーションが重要です。

そして、効率的かつ読み落としや間違えを防止を図るには

  1. 合否の行方を決定する
  2. 全体をつかむことで方向性を決定する
  3. いつもと違う所に注意
  4. 整理

の4つの要素について知ることです。

最後に要求には以下の2点があり

  1. プランニングについての要求→エスキスをまとめられること
  2. 作図、要点についての要求→作図・要点について書けるようになること

それぞれ勉強する必要があります。

今回は課題の読み取りについての基本的事項について説明しました。

もし参考になったなと思っていただけたら、周りの方に「こんな奴がいるよ」って紹介していただけると嬉しいです。