先日質問いただきました。
ありがとうございます。
エスキス中、色々な条件等に
優先順位をつけて計画されてましたか?
- 空間構成が採点のポイントだから。
- 建築基準法は大切よ。
- 設置階指定は守ろう。
- 作図時間は2.5時間以内で。
- 動線とゾーニング がキーだ。
- 結局全て大事な項目だ。
最終的に講師から投げやりに言われるから
どうすれゃえーんや。
って心の正直な声が聞こえてきます。
確かに全てが大切です。
大切なのは間違いない事実です。
でもそれらより大切なことは
設計依頼者の声
さっそくノロアリの優先順位を解説します。
エスキス中の課題文の条件の優先順位
1番目は設計概要
2番目は配置計画に関する条件
3番目はゾーニング・動線計画に関する条件
4番目は数値(面積など)のある条件
5番目はその他条件
基本的な考え方は
大きな枠組みから詳細な部分の流れで優先順位をつけてきました。
その理由は、
- 余計な検討の数を少なくするため
- ミスを少なくする効果もあります。
優先順位1番は設計概要
どんな課題でも共通で
設計概要=課題文の左上部分(以降、設計概要と記載)が一番大切です。
(下記の図の赤丸部分の箇所)

結構安易に考えている人もいるかもしれません。私もその1人でした。
設計概要って
- お客さんがしてほしいことです。
- 向かうべき方向性=目的がわかる。
つまり、お客さんの要望・目的にあった設計になっているか否かがもっとも大切なことになります。
ノロアリがエスキス中に迷ったら、最終判断は設計概要をもとにしていました。
皆さんも迷った時は設計概要を見直して判断することを癖にしてみて下さい。
優先順位2番は配置計画に関する条件
2番目の優先順位は配置計画に関する条件。
ここ3〜5年で随分難易度が上がっているのでしっかり条件クリアしていきたいところです。
ではなぜ2番目が配置計画?
- 大枠が掴める
- 空間構成で最重要かつ他の3つにも影響があるため
大枠とは
アプローチであったり、駐車場・広場・建築物の位置、周辺との関係性のこと。
最初に大枠が掴めれなければ、いつまでも同じ部分を計画し続けたり、無駄な検討をすることとなり時間が足りなくなります。
空間構成は基本
配置計画がNGであれば、ゾーニング・動線がNGとなりやすく
ゾーニング・動線がNGであれば、要求室等の計画もNGとなりやすく
最終的に立体構成までNGとなる場合がある。
必ずそうなるとは言えませんが、負の連鎖は起こりやすいです。そのため、空間構成では最重要であると言えます。
優先順位3番はゾーニング・動線に関する条件
ゾーニング・動線に関する条件が3番目です。
- 建物内の計画上の骨格となるため
- 建物単体でもっとも大きな枠組みであるため
特に最重要なゾーニング・動線条件は配置計画に関する条件に関連するもの
例えば
広場から直接出入りできるように計画
サービス駐車場から搬入動線を確保すること
などの条件
初めて課題をやる人は『ゾーニング・動線に気を付けろ!!』って口酸っぱく言われます。勉強のカリキュラム上ここが一番多いから一番大切なのかなって勘違いしそうですが、ノロアリの優先順位は3番目。
優先順位4番は数値のある条件。
ここまできたらだいぶ細かい条件となります。課題文の中にある指定された数値が至るところに書いてあると思います。
例えば
建築物の面積、室数・設置階など
数値の条件は
- やりがちな項目
- 途中で気がついて修正すると、その他の条件違反を誘発しやすい項目
- そして重大な不適合となりやすい項目
そういう意味で優先順位は高いです。
ここで一発ランクⅣになることはあります。
その他条件
- 残りあとから考えても大丈夫そうな条件
- 家具・什器の条件
- 断面図の切断位置
などは優先順位は低く設定してました。
低いから守らなくていいということではないですよ。
あくまで優先順位ですからね。
余談、ノロアリは数値のある条件が…
ノロアリは数値の条件をよく違反してました。
面積オーバー
天井高が低い
室面積不足
設置階違反
普通にランクⅣのオンパレード
改善したこと
数値に関する条件はマーカーの色を変えました。
まとめ
課題文の条件の優先順位は
1番目は設計概要
2番目は配置計画に関する条件
3番目はゾーニング・動線計画に関する条件
4番目は数値(面積など)のある条件
5番目はその他条件
の順番。
上の順番も大切なんですが
大きな枠組みから詳細な部分の流れで優先順位をつけていくこと。
この考え方が一番大切です。