空間構成が壊れるってどういうことなの?
- 人が利用しにくいあるいは利用できない状態のこと
- 設計条件に反していること
- 建築的な常識に欠けていること
まとめていうと建築として成立していない状態のこと
建築として成立していない状態を具体的な事例を踏まえて説明します。
またこの記事はどんどん更新していくようにします。
具体的事例その1 ー廊下がガタガター
廊下がガタガタとは
- クランクが多い
- 廊下幅がまばら
主な原因
- 要求室を無作為に配置する
- 大空間・屋上庭園や吹抜けの配置により、2つのコア通しでまっすぐ廊下が取れないこと

なぜ廊下がガタガタではダメなのか。
ガタガタだと見通せない→わかりにくい→動線が複雑・非合理的
例えば、大きな総合病院に初めて診察に行く時のことを想像して欲しいんです。建物に入って受付してどこに診察室があるかわからない状態の上に廊下がガタガタであればどうでしょう?
あなたは目的の診察室に行けるでしょうか?
診察が終わってすんなり建物の外に出れるでしょうか?
あなた以外にも、おじいさんやおばあさん、小さな子はどうでしょうか?
東京や大阪にある大きな駅で改札からホームまで通路がガタガタであればどうでしょうか?
あなたは乗りたい電車に乗れるでしょうか?
電車降りてから目的の出口に行けるでしょうか?
総合病院も大きな駅も多くの人が迷っちゃいますよね。
迷っている人が多ければ廊下に人溜りが発生してさらにごちゃごちゃな空間となってしまいますよね。これが動線が複雑・非合理ということ。
1級建築士での課題は、総合病院や大きな駅のような規模ではないですが、理屈はいっしょ。
具体的事例その2 ーホール形状ー
ホール形状NGには
- そもそもホールがない
- ホール形状がおかしい
主な原因
- 要求室を無作為に配置する
- 大空間や吹抜けの配置計画ミス
- 断面構成の検討の甘さ

なぜホールがないとダメなのか。
廊下とコア(階段・EV)は動線の交差点→交差点は人が集まる→人溜り空間が必要
”階段を上がってすぐに廊下、EV降りたらすぐ廊下”これだと階段廻りもしくはEV廻りに人溜りができるため、廊下との交差する部分で円滑な人の流れができない。そのため、円滑な人の流れができるようにホールを計画する。
結果、利用者コアとホールはセットで考えないといけない。
その他にも、たまにホール形状がおかしいプランも見ることがある。
コアとは関係のない位置にホールがある場合やホールが2つあるような形状の場合がこれに該当する。先ほども言ったように廊下とコアが交差する部分の人の流れを円滑にすることが目的なのでおかしいですよね。
具体的事例その3 ーゾーニング違反ー
ゾーニング違反とは
- ゾーンごとにまとまらない
- 利用者と管理者のゾーンが曖昧
主な原因
- 不適切な階振りをしている。
- 大空間の配置
ゾーンごとにまとまらないとなぜダメなのか?
そもそもゾーンとは、領域・区域のこと。ゾーニングとは領域・区域を用途や機能別に分けること。なのでゾーンごとにまとまってないということはゾーニングになっていないということ。
ゾーニングがダメなら動線も連動してダメ。
もしかしたら配置計画も連動してNGになる可能性もあります。
ゾーニングの減点は致命傷になりますね。
まとめ
建築として成立していない状態を知ることで
- 良し悪しの判断ができるようになる
- 空間構成が壊れない対策ができる